マルセリーノ少年がかわいすぎる!「汚れなき悪戯」
泣ける映画ということで知る人ぞ知るスペインの古典から。修道院に引き取られたマルセリーノ少年と彼を育てる修道士達、そして少年に訪れる奇跡を描いたこの古典映画、とにかくマルセリーノ君がかわいい!美少年というより、なんというかとにかくかわいい!修道院でいきいきと駆けまわるマルセリーノ君を見ているだけでほんわかと温かい涙が浮かんできます。古い映画好きなら誰もが知っている「マルセリーノの歌」を修道士たちが歌うなかマルセリーノ君を映したシーンは感涙必至。そしてこのかわいく優しいマルセリーノ君に訪れる奇跡ですが・・・ちょっとキリスト教から離れた日本人には「これでいいのかなあ?」とも思える奇跡ですが、しかしマルセリーノ君の願いは叶えられたのね・・・と思うと・・・泣けます。思い切り泣けます。マルセリーノ君に奇跡が訪れた後、修道士が涙ながらに「マルセリーノに奇跡が訪れました」と涙ながらに告げるのですが、おいその涙は私達観客のものだ、とか思えてしまいます。悲劇ではなくハッピーエンドで、さしたる劇的なストーリーはないものの、しかし確実に泣ける、そんな古典を一度お試ししてはいかがでしょうか?
映画好きに捧げる涙「ニュー・シネマ・パラダイス」
泣ける映画といわれればこれは外すことができません。イタリアの片田舎の映画館「パラダイス座」を中心に映画を愛する少年トト(サルヴァトーレ)と映写技師アルフレードを描いた現代の古典です。まずメインテーマだけで泣けます!映画好きなら誰もが知っている、あまり知らない人でも絶対に聞いたことくらいはある超有名なメロディーですが、実に切なく甘いのです。そしてこの切ないメロディーに合わせて、昔のイタリアの片田舎での少年トトと映画をめぐる悲喜劇、青春、恋愛、そして少年が青年、大人(彼は監督になるのです)になるにつれて、何かを失って何かを得ていく過程が優しく描かれます。ただ甘いだけでなく、どこか苦い(とくに青年トトの恋愛のエピソードは泣けます!ちなみに3時間尺の完全版だとかなりこのエピソードが違ったものに見えるはずです)、それゆえに泣ける「映画好きのための映画」です。そしてラストシーン、監督となったトトが見る、アルフレードからの贈り物のシーンは感涙必至!ああ、映画って良いなあ、こんなに映画を見るってことは切なく泣けることだったのかと思い返すことしきりの感涙太鼓判の現代の古典であります。
名匠大林宣彦が本気で泣かせに来た「異人たちとの夏」
泣ける映画ということで、あえて邦画から選びますと、この「異人たちとの夏」は外すことができません。「時をかける少女」「天国にいちばん近い島」などで独自の世界観・恋愛観、そして独自の切なさに満ちた映画を撮り続ける名匠にして鬼才・大林宣彦監督が、はなっから観客を泣かせに来た邦画の佳品です。まずなにが泣けるって、幼いころ死に別れた両親が元気なあのころの姿のままで中年になった主人公の目の前に現れるという、その時点で泣けます。つまり両親は幽霊なわけですが、中年男の前に死に別れた両親が現れたら、そりゃ中年男は泣きながらついていっちゃいますよ。そして中年男にはもう一人恋人というか愛人というかそんな関係になった女性が同じアパートに住んでいて、そこでもひと波乱あるのですが、こっちはそんなに泣けないです。とにかく幽霊になった両親が「あの頃のままで」一緒にご飯を食べたり、なんか色々と親ならではの優しさで中年男を迎えるって、そりゃ反則ですよ大林宣彦監督。幽霊との付き合いなど、決して続くものではないとは知りながらも、それでもずっと両親と一緒にいたいと思ってしまう主人公に感情移入して、泣いてしまうのですなあ。
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